ならば

音とかで遊んでいたログ

ChucK 1.3.0.0 リリース

何年ぶりなのかすら思い出せないが、8/25にChucKとminiAudicleがアップデートされた。
もう全然触ってないけど主なリリース情報だけ捕捉しておく。
注)書き方が全体的にネガティブ。


ChucK 1.3.0.0

  • Chugin, Chubgraph, ChuGen
    このネーミングはどうかと思うが、今回のリリースで一番の目玉。
    どれもChucK本体を改造せずにユニットジェネレータを拡張・作成するための機能で、次のような違いがある。実装の容易性や処理の複雑性・要求性能に応じて使い分けることとされている。

    • Chugin: C/C++で実装して予めコンパイル済みのユニットジェネレータをロードする仕組み
    • Chubgraph: 既存のユニットジェネレータを組み合わせて新しいものを作る仕組み
    • ChuGen: 音響信号を直に操作するユニットジェネレータを作る仕組み

  • WvOut2, SndBuf2
    ステレオの音響信号を入出力できるようになった。
    これでようやく、左右別々に出力して後で他のツールでミックスするという面倒な作業から解放される。

  • for文の条件式の扱い
    これも具体的な時期を覚えていないが一つか二つくらい前のChucKのバージョンからfor文の条件式が空の場合の扱いが変わった。
    それまではC系の多くの言語と同じく空の場合は真として扱われていたが、制御構文を実行するChucK VMの実装を変更する過程で、エラーとして扱われる仕様に結果的になった*1。結果的という表現を使っているのは本来は意図せずそういうことになったためだが、1.2.1.3まではVMの実装にバグがあって実行時にハングする*2
    今回のバージョンでは、コンパイル時にチェックしてコンソールにエラー出力されるようになった。

    1.2.1.3までの公式のexamplesには、この仕様変更のせいで動かなくなったコードもあったけど、それが今回修正されたかどうかまでは調べていない。


miniAudicle 0.2.1

  • ベースエンジン
    ChucK 1.3.0.0に変更。

  • Chugin用のGUI
    コンパイル済みユニットジェネレータのファイルの格納場所を指定できる設定画面が追加された。

  • まともに終了する
    Windows版でのみあった不具合が修正された。
    今までは、miniAudicleを終了させようとしてもウィンドウは消えるのにプロセスは残ったままだった。
    なお、これもWindows版のみの不具合だが、一旦ChucK VMを起動すると停止できない不具合は今回のリリースでも修正されていない。


やっぱり今後はもう触らないだろうなー。

*1:開発MLを追ってみると経緯がわかるが、なかなかひどいと個人的に思った。それとこのせいで、過去このブログに書いたいくつかのコードは今のバージョンでは動かない

*2:miniAudicleの場合、miniAudicleごと巻き込んでハングする