ならば

音とかで遊んでいたログ

「音のイリュージョン」を読んだ

買い物のついでに書店に寄ったら、「音のイリュージョン」という聴覚の錯覚がテーマの本を偶然見つけて思わず買った。2010年4月の新刊。

音のイリュージョン――知覚を生み出す脳の戦略 (岩波科学ライブラリー 168)

音のイリュージョン――知覚を生み出す脳の戦略 (岩波科学ライブラリー 168)

サブタイトルに「知覚を生み出す脳の戦略」とある通り、錯覚の単なるカタログではなく、いくつかの錯覚の具体例を元にそのメカニズムを解明できている範囲で解説し、ヒトの知覚がどのように生み出されているかを説明することに重点が置かれている。視覚の錯覚も含めて、いろいろな例の背後にあるメカニズムが関連付けて説明されていて分かりやすい。ヒトの脳はよく出来てるなーと思う。

それから錯覚を実際に体験できるように準備されているのも良い。著者はイリュージョンフォーラムの制作者の一人で、このサイトでは本に出てくる錯覚の多くがFlashインタラクティブな形で例示されている(本文中にはサイトのどの例を見ればいいか逐一書いてある)。

イリュージョンフォーラムはずっと前から知っていたが、つい最近リニューアルされたことをこの本で知った。デザインが大きく改善され、視覚の錯覚と聴覚の錯覚の例が共にかなり増やされている。
ただ、聴覚の錯覚も良いんだけど、個人的には視覚の錯覚の中に驚くほど鮮やかなものがあってその方が楽しかった。やはり見た目のインパクトは大きい。