ならば

音とかで遊んでいたログ

聴覚の錯覚

「音のイリュージョン」を読んだ

買い物のついでに書店に寄ったら、「音のイリュージョン」という聴覚の錯覚がテーマの本を偶然見つけて思わず買った。2010年4月の新刊。音のイリュージョン――知覚を生み出す脳の戦略 (岩波科学ライブラリー 168)作者: 柏野牧夫出版社/メーカー: 岩波書店発売…

静寂の音

一般的に音楽は、静寂に対して音を配置していくことによって作られる。真っ白な世界に絵を描いていく感じ。音楽がこういう構成になっている理由は、人間がいる世界には基本的には音があまりない方が普通で、音がある場合もその音が変化せずに永続することは…

音脈分凝

高い音と低い音が交互に鳴る音の列は、音の間の時間間隔がそれほど短くなければ、音高が上下するひとかたまりの音の列として聴こえる。でも音の間の時間間隔が短いと、高い音の列と低い音の列が分離して別々のまとまりとして聴こえることがある。高い音と低…

ミッシング・ファンダメンタル

ある音の音高(ピッチ)は、その音の波形に含まれる周波数成分と強い関係がある。単独のサイン波で表される音(純音)ならば、その周波数が音高を決める。複数のサイン波の合成でできた複合音であれば、通常は最も低い周波数(基本周波数、基音)が音高を決…

無限加速リズム

無限音階の連続バージョンを作ったリセ(Jean-Claude Risset)は、無限音階と同じ原理をリズムに適用して、そのテンポが加速し続けるかのように聴こえる錯覚も作った。同じ原理が使える理由は音楽におけるリズムと音高の構造が本質的には同じだからだ。ただし…

シェパードトーン

無限音階 聴覚の錯覚の有名な例に、音の高さが上昇(または下降)し続けるように聴こえる無限音階*1がある。無限といっても音高が直線的に上がり続けるというよりは、短時間だとどの区間でも音高が上がっているように聴こえるけど気付いたら以前と同じ高さに…

ステレオの錯覚

視覚の錯覚(錯視)ほど有名ではないけど、聴覚にも錯覚(auditory illusion)がある。生理的な錯覚は音楽の才能や経験には関係なく起こるため、ヒトの認知・知覚のシステムを解明するのに役立つだろうってことで、いろいろと研究されている。中でもダイアナ・…